GmailのAIスキャンは大丈夫? 「日本はデフォルトOFF」の実態と設定確認の方法
2026年6月、X(旧Twitter)を中心に「GoogleのAIがGmailのメールや添付ファイルをスキャンしている」という話題が拡散し、不安の声が広がりました。
Togetterのまとめ記事をもとに、何が起きているのか、日本のユーザーはどう扱われているのか、自分の設定をどう確認すればよいのかを整理します。
何が話題になったのか
発端は、テック系アカウントによる「Gmailアカウントを持っているなら読むべき」という投稿でした。要点はこうです。
GoogleのAIが、メール本文・添付ファイル・銀行取引明細書・納税書類・医療関連の書類など、あらゆるものをスキャンするようになった。
この機能はデフォルトで有効になっており、その仕組みをめぐってアメリカで集団訴訟が起こされている、という内容です。
具体的には、Googleが2025年末ごろ、多くのユーザーに対してGmail・Chat・MeetのAI機能(スマート機能)を自動的に有効化したとされます。
これらの機能は、メールやメッセージ、添付ファイルを読み込んで「要約」や「返信候補の提案」などを生成するものです。
ポイントとなるのは、Google自身は「あなたのメールはGeminiの学習(トレーニング)には使われない」と説明している一方で、「こうしたAI機能が有効になることに明確に同意した覚えがない」と主張するユーザーがいる、という点です。
集団訴訟も、スキャンそのものというより「同意のとり方(どのように有効化されたか)」を問題にしています。
なお、AI機能をオフにしない限り、これらの機能を提供するためにAIが受信箱を分析できる状態は続く、とされています。
「日本はデフォルトでOFF」という重要な事実
ここが日本のユーザーにとって最も大事な部分です。
このAIスキャン(スマート機能)のデフォルト設定は、実は国・地域によって異なります。まとめ記事内で指摘されているとおり、EEA(欧州経済領域)・イギリス・スイス・日本では、このスイッチはデフォルトでオフになっています。
実際、Googleのヘルプセンターにも「以下の国や地域にお住まいの場合は、スマート機能の設定がデフォルトで無効になっています」として日本が挙げられている、という指摘が記事内で紹介されています。
つまり、アメリカ在住のユーザーが「確認したら確かにオンになっていた」と報告する一方で、日本のユーザーが確認したら「全部オフになっていた」というケースが多いのは、この地域差が理由と考えられます。
ただし、注意点が二つあります。
ひとつは、デフォルトがオフでも、アプリを開いたときの案内画面などで、知らないうちに自分で有効化してしまっている可能性があること。
「何もしていないのにオンになっていた」と感じる人は、過去にこうした案内で無意識にオンにしたケースが指摘されています。
もうひとつは、このスマート機能がオフであっても、メールの中身自体は十年以上前からかなり細かく分析されてきた、という指摘です。
スマート機能のオン・オフは、あくまで「AIによる要約・提案などの機能」に関わる設定であり、Gmail上であらゆる処理が一切行われなくなることを意味するわけではない、という点は理解しておく必要があります。
自分の設定を確認・オフにする方法
不安な場合や、機密性の高いメールを扱う場合は、設定を確認しておくとよいでしょう。
まとめ記事で紹介されていた手順は以下のとおりです。
スイッチが複数箇所に分かれている点に注意してください。
1. メインのスイッチ(Gmailデスクトップ版) 設定(⚙️)→「すべての設定を表示」→「スマート機能とパーソナライズ」→「Gmail、Chat、Meetでスマート機能をオンにする」のチェックを外す→変更を保存。
2. もう一つのスイッチ(同じ設定ページ内) 最初の設定をオフにするだけでは不十分とされています。同じ設定ページで「Google Workspace スマート機能」→「Workspace スマート機能設定を管理」→両方のチェックボックスをオフにする→保存。両方をオフにする必要があります。
3. スマホアプリ側も別途確認 設定はデバイス間で必ずしも同期されないため、Gmailアプリ側も確認します。Gmailアプリ→メニュー(☰)→設定→アカウントを選択→「スマート機能とパーソナライズ」をオフ→確認。
4. Geminiの利用履歴の削除(過去にGeminiを使ったことがある場合) myactivity.google.com/product/gemini にアクセス→「Geminiアプリのアクティビティ」をオフ→アクティビティを削除→期間は「すべて」。これにより過去のチャット履歴が削除され、今後の会話も保存されなくなる、とされています。
5. 機密メールは別サービスへ 本当にプライベートなメール(医療・法律・金融など)については、別のメールサービスの利用も選択肢として挙げられています。記事ではエンドツーエンド暗号化に対応した無料メールサービスの例が紹介され、ニュースレターや重要度の低いメールはGmailのまま使う、といった使い分けが提案されていました。
設定変更時の注意点
設定変更には副作用もあるようです。
まとめ記事内では、設定をオフにしたところ、それまでAI機能で振り分け・除外されていたメールがすべて未読として受信箱に放り込まれ、一括削除もできず困った、という体験談も紹介されていました。
オフにする前に、自分の利用状況にどう影響するかは念頭に置いておくとよいでしょう。
まとめ
日本のユーザーの場合、このGmailのAIスマート機能はデフォルトでオフになっているため、海外で報じられているような「知らないうちに全メールがAIにスキャンされていた」という状況に、必ずしもそのまま当てはまるわけではありません。
とはいえ、案内画面で自分で有効化している可能性もあるため、一度設定を確認しておくと安心です。
過度に怖がる必要はありませんが、地域による違いと、自分の現在の設定を正しく把握しておくことが、いちばん確実な対処と言えそうです。

