
AntiSpyPhoneで一度でも実名simを入れてしまったらその後の通信はキャリアに紐づいてしまうのか?
とても興味深い質問をいただきましたのでブログでも周知させていただければと思い記事にさせていただきました。
Anti Spy Phoneでは、一度でも実名simを入れてしまったら、その後の通信はキャリアに紐づいて特定に繋がりますでしょうか。その場合、別のpixel端末を用意し、再度御社へ依頼するしか匿名化する手段はないのでしょうか?
こちら順に説明させていただきます。
SIMを挿した場合キャリアに伝わる情報は以下となります。
項目 | 内容 | キャリアに伝わるか |
---|---|---|
IMSI | SIMカード固有の番号(加入者識別) | 常に伝わる |
IMEI | 端末固有の識別番号 | 通信時に必ず送信される |
電話番号(MSISDN) | SIMに割り当てられた番号 | 通常取得可能 |
基地局情報 | どのエリアから通信しているか | 常に把握 |
IPアドレス | 通信時に使われるIP | 常に割当される |
上記のように
IMSI・IMEI・MSISDN などはキャリアに伝わります。
これはOSに依存せず、モバイルネットワーク(携帯電話通信)を利用する限り避けられない仕様です。
つまり一度キャリアのSIMを利用してしまうとキャリア側にはその履歴が残ります。
IMEI偽装や隠蔽はハードウェア制約と法的理由から基本的にできません。
ちなみに
日本の場合(電波法):
電波法第4条、113条や不正競争防止法などにより、不正な端末識別情報の改変は違法行為とみなされます。
特に、改造IMEIを用いた通信機器は「技適未取得」と同義になり、使用自体が罰則対象です。
つまり
「モバイルネットワークを使わない」=「IMEIやIMSIをキャリアに送らない」唯一の方法です
具体的には
方法1:SIMカードを物理的に抜く
端末にSIMを挿さなければ、IMEIやIMSIはキャリアに送られません。
通信はすべて Wi-Fi+VPNやTor経由で行います。
SIMが入っていない状態なら、端末は電波にアクセスしない=キャリアの管理下に入らない。
方法2:Airplaneモード+Wi-Fiのみ
機内モード中にWi-FiをONにすれば、モバイル通信を遮断したままインターネット接続可能。
IMEI/IMSIも一切キャリアに渡りません。
Wi-FiのMACアドレスランダム化もONにしておけばさらに安全です。
などの方法が考えられます。
完全な匿名を維持する場合にはSIM自体が完全に匿名でなければなりません。
質問者様のご指摘の通り完全な匿名での通信という意味では新しいPixelにAntiSpyPhoneをインストールする必要があります。
次回はSIMの匿名性などについても解説したいと思います。