
歩くビーコン あなたのスマホは電波で自己紹介している
街を歩いているとき、あなたは無言でもスマホはペラペラと自己紹介しているかもしれません。
「こんにちは!私は◯◯という端末で、昨日はこのカフェに繋がりました。Bluetoothはこの機器を登録しています!」
まるでおしゃべり好きな友達のように、勝手にあちこちで電波トークをしているのです。
Wi-FiとBluetoothの“おしゃべり癖”
スマホは便利な一方で、とても社交的。Wi-FiやBluetoothをオンにしていると、自動的に「過去に接続したことのあるアクセスポイント」や「端末情報」を周囲に発信しています。
これを「プローブリクエスト」と呼び、スマホは常に「ねえ、昨日つながったあのWi-Fiさんいませんか?」と呼びかけ続けているわけです。
攻撃者や調査ツールを持つ人が近くにいれば、その呼びかけをキャッチするだけで、過去にどんな場所に行ったのか、どんな機器を使っているのかが推測できます。
例えば「STARBUCKS_WIFI」と呼びかけていれば、「この人はスタバによく行くな」とわかる。
なんだかスマホが“行きつけ”を勝手に告白している感じです。
「歩くビーコン」の怖い使われ方
この性質を利用すれば、人の移動パターンを追跡することも可能です。
たとえば商業施設やイベント会場では、来場者のWi-FiやBluetoothの信号を集め、混雑状況や滞在時間を分析する仕組みが実際に使われています。
表向きは「マーケティング」ですが、個人の行動履歴を吸い上げる監視システムとも言えます。
もっと悪質な例では、攻撃者が偽のWi-Fiアクセスポイントを用意して「お探しのネットワークはこれですか?」とスマホに声をかける。
スマホは「そうそう、これこれ!」と無邪気につながり、データを抜き取られてしまう。スマホの“おしゃべり癖”が命取りになる瞬間です。
ユーモラスに見えて実は深刻
この現象を擬人化して考えると面白いのですが、実態はプライバシーの大問題。
「自分の行動履歴が第三者にバレてしまう」ことは、ストーカーや詐欺グループにとって格好の材料になります。
自宅や職場、通学路まで知られてしまうリスクを考えると、笑い話で終わらせるわけにはいきません。
対策は「口を閉じさせる」こと
一番シンプルなのは、不要なときはWi-FiやBluetoothをオフにすることです。特に外出先で使わないなら切っておけば、スマホは無駄に自己紹介を始めません。
また、OSの設定で「接続したことのないネットワークに自動接続しない」にしておくのも有効です。
そしてAntiSpyPhoneを使えば、この“おしゃべり癖”を根本から抑え込めます。アプリや機能ごとに通信の許可を細かく設定できるので、「Wi-Fiは家だけ」「Bluetoothは特定の機器だけ」といった管理が可能。
スマホが勝手に「私は◯◯です」と自己紹介しないように、最初から口止めできるのです。
まとめ
スマホは便利ですが、油断すると“歩くビーコン”になってしまいます。本人は黙って歩いているつもりでも、ポケットの中の端末は勝手に過去の記憶をばらまいている。
次に街を歩くとき、ふと考えてみてください。
「今この瞬間、私のスマホはどんな自己紹介をしているんだろう?」
もしかすると、その答えがあなたの行動の安全を守るヒントになるかもしれません。